NordicNinja VC で北欧のクリーンテックに投資されている宗原さんにお越しいただき、北欧のスタートアップの動向やクリーンテックの未来などについてお話を伺います。
イベント日時
2022 年 3 月 4 日(金) 18:10 ~ 19:00
社会実装 Discord の Stage チャンネルにて開催します
録音の公開先
Apple Podcasts, Spotify, Google Podcasts で公開します。
宗原さんのプロフィール
宗原 智策
NordicNinja VC マネージングパートナー
国際協力銀行(JBIC)にて、M&A投資の方針・戦略立案や欧州のクリーンテクノロジーや蓄電システム向け投融資を行う。また、メキシコに3年赴任し、EV事業や再エネファンドの設立にも従事。その後JBIC IG Partnersの立ち上げに参画し、ロシア/欧州向けのベンチャー投資をリード。2019年にNordicNinja VCの設立と共に拠点をフィンランドに移し、北欧・バルト地域でのベンチャー投資を行う。フォーカス領域はCleantech、AI/Autonomous、Blockchainなどで、投資先の社外取締役として日本市場への参画含めたビジネスディベロップメントも支援。
北欧バルトの忍者「NordicNinja VC」は、どう戦い、何を目指すのか<IGPI’s Talk#8> | 株式会社経営共創基盤(IGPI)
慶應義塾大学経済学部卒
NordicNinja VC について
Japan has a budding startup ecosystem, yet not big enough to feed the market’s hunger for digital innovation. The New Nordics have always been at the forefront of digitalization, have a thriving startup ecosystem, and have become a hotbed for international talent.
NordicNinja was founded as a joint partnership between JBIC IG Partners and BaltCap. With our family of global Japanese expertise, including Honda, Panasonic, Omron, and the Japan Bank for International Cooperation (JBIC), the NordicNinja team helps New Nordic startups scale globally.
NordicNinja – Investment Thesis
書き起こし
※以下はAIによる書き起こしです。あくまで参考程度にご覧ください。
00:00
今日はNordic Ninja VCの宗原さんにお越しいただいて、北欧クリーンテックの未来を実装するというテーマでお話させていただこうと思います。宗原さんよろしくお願いします。
00:10
よろしくお願いします。Nordic Ninjaの宗原と申します。
00:14
ちなみに、Nordic Ninjaって名前つけたのって何でなんですか。早速で恐縮ですけれど。
00:20
これ実は、もう少し正式な名称があるんですね。JV Nordic Venturesという名称はあるんですけども、ブランド名としてNordic Ninjaを使ってまして。やっぱり日本初のVCであるということを、皆さんにも知ってもらいたいっていうことで、忍者だとか、侍だとかそういったものが候補に挙がってたんですけど、現地のメンバーからちょっと侍っていうのがスウェーデンとかフィンランドではあまりイメージ良くない。腹切りとかそういったところのイメージがあったりしていて、なので忍者っていうところと、あとは我々ベンチャーキャピタルって、基本的にはスタートアップに投資をして、起業家さん、創業者と一緒に会社を成長させていくっていうことなんですが、あくまで我々は伴走者であって主役ではない、ということで表に立つ侍よりも、実際に表の方がいてそれをインテリジェンス持ちながら支援をするっていう忍者のほうが性に合うだろうということで、Nordic Ninjaっていう名前を使わせていただいてます。
01:28
そうなんですね。黒子であるっていう意味で。
01:31
おっしゃる通りです。我々表に出ないよという。
01:39
ぜひ早速ですが、Nordic Ninja VCの事業の説明簡単にと、ぜひ宗原さんのプロフィール、自己紹介の方お願いしてもよろしいでしょうか?
01:49
Nordic Ninja VCは名前にある通り、北欧バルト地域、北欧は5カ国ですね。アイスランド、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランドの5カ国と、バルト三国、エストニア、ラトビア、リトアニア、この8カ国のスタートアップに投資をするベンチャーキャピタルでございます。私を含めて日本人が半分、そしてもう半分はこちらの現地の北欧の人ですとか、エストニア人とかそういった人たちで構成されているベンチャーキャピタルでございます。私の元々のバックグラウンドは、政府系の金融機関の方でグリーンファイナンスですとか、あとは再生可能エネルギーとか、気候変動関連のファイナンスなんかをやっていまして、5年ほど前ぐらいから北欧、ヨーロッパの方でベンチャーキャピタルを立ち上げようということで、様々なパートナーを探した結果、ちょうど4年前に立ち上げました。我々の方は、私を含めてフルタイムの投資メンバーが8人いまして、オフィスは実はフィンランドのヘルシンキと、スウェーデンのストックホルム、そしてエストニアのタリンの3オフィスを構えてまして、私自身は居住はフィンランドのヘルシンキにおります。コロナが起きてなかなか動けてなかった部分もあったんですけれども、基本的にはスウェーデンやエストニアやフィンランドを転々して回って、この8カ国で世界に出ていこうというようなスタートアップを応援して、必要に応じて日本企業さんと繋いだりですとか、日本のマーケットに展開したいときには支援をした上で、グローバルにもスケールアップさせていこうというコンセプトで立ち上げたベンチャーキャピタルでございます。
03:41
ちなみにノルディックの中でも特にフィンランドに居住を構えた理由とかってあったりされるんですか。
03:46
これ二つあって、一つは日本に帰りやすいっていうのがあって。
03:51
そうなんですか。
03:53
直行便っていうのがフィンエアーっていうのがあって、今ちょうどロシアの領空をどうやって飛ぶかっていうのがまさしく議論されてるところなんですけど、実はヨーロッパに一番近い便だったんですね。ヘルシンキからは東京だけじゃなくて、一時期は札幌、福岡、大阪、名古屋もかな、5都市に直行便が毎日のように飛んでいまして、非常に帰りやすかったと。実は北欧の一番の大国のスウェーデンは、これはまだ直行便ないんです。ということもあって、フィンランドからは日本が帰りやすかったということが一つと、あとは我々は北欧5カ国バルト三国、8カ国を見ていても、その中で三つの国を重点的にマーケットとして捉えてまして、スウェーデン、フィンランド、エストニア。ここはですね、フィンランドのヘルシンキにいると、エストニアっていうのは、飛行機じゃなくてフェリー、船で2時間で行けちゃうんですね。実はフェリーに代わる代替のトンネルとかっていう案も出てきてるんですけども、それぐらいすごい近い町同士なので、お互いの都市を行きやすいということでヘルシンキを拠点におきました。
05:08
そういう理由があったんですね。
05:11
北欧って結構くくられるんですけどいろいろバラバラでして、実はフィンランドの人たちはスウェーデンとかのバイキング族ではなくて、エストニアと一番人種的に近いんです。なのでやっぱりエストニアとの関係も強いですし、アクセスもしやすいので、ヘルシンキが拠点として良かったと。
05:32
本当にその北欧エリアって、今回タイトルに北欧ってつけちゃってますけれども、結構いろいろ国によって違う中で、ぜひ今日のテーマでもあるクリーンテックのところをお伺いしたいんですけれども、まずは北欧全体でクリーンテックって盛り上がってたりするんですか?スウェーデンから結構いろんなクリーンテック系のスタートアップ出てきてるなって印象あるんですけど。
05:54
おっしゃる通りですね。ただ一つだけちょっと違うのは、クリーンテックって結構呼ばないんですよ。ClimateTechって呼んでまして。クリーンテックの場合だと、元々20年ぐらい前に1回ブームがアメリカ、シリコンバレー中心に起きてたんですよね。2000年代かな。2000年代で後半にバブルが崩壊しちゃいましたけど。そのときのクリーンテックとは違って、我々はClimateTechであると。クリーンテックの場合は、文字通りクリーンって書いてあるので、エネルギーだとか空気を綺麗にしていこうっていうことが主眼に置かれてました。そうするとエネルギーをクリーンにしてCO2を削減するっていうのに主眼が置かれてたんですけど、ClimateTechになると、文字通り気候変動テクノロジーになるので、単に温室効果だとかメタンガスを削減するだけじゃなくて、気候変動がこのまま進んだ場合の適用ということも含まれているので、包含されてる内容がちょっと広くなっている状況です。なので北欧地域はClimateTechって呼んでますけども、今馬田さんがおっしゃっていただいた通り、スウェーデンはかなりメッカになってきてまして、北欧全体元々環境意識が高いことも相まって、やっぱり消費者がすごい目線が厳しいんです。私も来て思いましたけど、例えばベジタリアン、ビーガンの人って今世界中で増えているじゃないですか。インドですとかアメリカを中心に増えてますけど、北欧の人たちって実際に宗教的な理由とか思想的な理由でビーガンやベジタリアンが多いわけじゃないんですけど、例えばどっかのレストランに行っても、必ずベジメニューはありますし、先に聞かれるのがベジなんです。例えば今日のメニューっていうので、ベジとミートってあった場合、やっぱり先に聞かれるのは、今日ベジなの?ミートなの?って聞かれるんですよ。オーダーの際に。普通は何も言わないとミートだとか、ベジっていうのが大体マイノリティだとまだ日本だと思うんですけど、こっちだともうベジがかなりマジョリティーになってまして、タンパク質なんかも代替タンパク質だとか、プラントベースのタンパク質を取ってるケースが多いので、そういう意味では食生活も含めて非常に環境意識が高い消費者がここに住んでると。そうすると当たり前ですけど、企業が環境意識を持ったプロダクトじゃないと売れなくなりますんで、消費者が変われば企業が変わり、企業が変わると政府も変わらざるを得ないっていう、そういう循環がありますね。
08:40
飛行機でチキンorビーフってよく聞かれますけど、今はスウェーデンとかだと、ベジorミートみたいな感じなんですね。
08:46
ベジorビーフって言われます。
08:51
その中で特に宗原さんがClimateTechの領域で、このあたり特に特徴的じゃないかみたいなのってあったりされますか。
09:02
二つあって、一つはフードテクノロジーのところです。代替タンパクっていうところは、一番有名なのはインポッシブルフーズだとか、ビヨンドミートみたいな代替肉だと思うんですけど、実はこの代替タンパクの分野がかなり広がっていて、例えば代替チーズだとか、代替フィッシュだとか、あとは代替ミルク、そういったところも増えてますと。一つスウェーデンの、皆さんも多分スーパーで見たことあるかもしれませんが、オートリーっていうオート麦を使ったミルクテイストな代替ミルクっていうのがあるんですけども、これ通常のミルクの倍近くするんです。するんですけども今の若い世代、北欧の若い世代は普通の牛乳よりも、このオートリーのミルクを選びます。オート麦からできてきているので、牛のゲップで大量にメタンを排出するっていうことで、今牛がかなり注目を浴びてますけども、そこから出るミルクではなくて、オート麦から作った代替ミルクっていうものがもう主眼になってきてます。そういう意味では代替タンパクってなると、代替肉っていうことで盛り上がってきてますけども、やっぱりその裾野がすごい広がっていて、食全体に対してどこまで環境意識の高いものが作れるかっていうところが、この地域では広がってます。これが一つ。もう一つ、やっぱりカーボンソフトウェアのところでして、気候変動対策を企業レベル、政府レベル、自治体レベル、いろんなところでやってると思うんですけども、そのインパクトだとかそのCO2をどういうふうに可視化して分析するんだっていうところは、この地域、ヨーロッパ全体でも盛り上がってまして、これが多分20年前の2000年代のクリーンテックのときにはあんまりなかった。これはクラウドもAIの技術もそこまで強くなかったので、どちらかというとハードウェアが主眼に置かれてましたけど、やっぱり最近はソフトウェアエンジニアリングもこの地域強いので、それと相まってカーボンソフトウェアと言われる排出削減の可視化、分析、あとは政策提案みたいな、そういったソフトウェアがこの地域で盛り上がっています。
11:19
食とソフトウェアでのインパクト評価みたいなところが、今来ているみたいなところなんでしょうか?
11:26
おっしゃる通りです。
11:27
確かにチーズ、かなり多いですよね。代替チーズなんか。最近三、四社なんか調達してるなみたいな印象があります。
11:37
例えば、ここはフードの人たちも言うんですけど、結局環境にいいものってどこかでプレミアムがのるじゃないですか。当たり前ですけど安くて環境によかったらみんな買うわけで、エネルギーも一緒ですけども。でもそこのプレミアムに対して、やっぱりここの人たちは出すんですね。出すんですけど、エネルギーと違ってやっぱり食になると、エネルギーはそれこそ再生可能エネルギーから買おうが、再生エネルギーの電気を使おうが、石炭の電気を使おうが、電気としての質は一緒じゃないですか。再エネになってくると停電が増えるってわけでもないので。そこはいいんですけど、食になってくると環境にいいもの環境に悪いもの、でも環境に悪いもののほうが美味しいってなると、ここはなかなか難しいんですね。なので実は北欧の人たちが取り組んでいる代替チーズなんかも、やっぱり美味しいもの、美味しいものじゃなかったらどんなに環境が良くても受け入れられない。当たり前ですけど、ワインに合わないチーズなんて、どんなに環境が良くても私売れないので。そこはやっぱり環境だけじゃなくて、味に対してこだわりというか、ネバーギブアップの精神をかなり起業家さんは持ってます。
12:53
ちなみにさっきのオーツ麦からのミルクは宗原さんの評価としては、美味しさはどれぐらいなんでしょうか?
12:58
最初はやっぱりミルクと違って、ちょっと変わってるテイストなんです。なんですけど、子供からしたらやっぱり飲みやすいっていうのもありますし、私も慣れるとこっちのほうが美味しいなっていうこともありますし、あと乳糖が入っていないので、アジアの人って乳糖不耐症の人が多いじゃないですか。そうするとお腹がゴロゴロしなくなるっていうことのプラスもあったりして人気ですね。
13:28
そういうプラスと美味しさがあって、初めてプレミアムの価格をみんな払ってくれるみたいな感じになっていくっていうことなんですね。
13:35
そうですね。
13:37
このあたり日本でも得意そうな気はするんですけれど、どうなんでしょうか?
13:42
だと思いますね。こういったものの技術っていうのは、圧倒的にやっぱり日本が、元々のディープテクノロジーっていう意味では、日本が最先端行っててもおかしくないので、あとはそれをどういうふうにブランディング化していって売っていくか。ここは技術という意味では、日本のほうが技術はあると思うんですけど、商品知識としてそこまで日本が盛り上がってるかっていうのは、少しちょっと疑問だったりはします。すなわち、そのオートリーっていうのが2倍の値段なんですけど、じゃあ雪印さんの牛乳を今日本で買ってるとして、2倍毎日払えますかね。払う日本人って大半いますかねっていう問いだと思うんです。
14:27
なかなか今だとノーでしょうね。
14:30
ですよね。あとは、今はこの食はそうですけど、電気の話に戻していったときに、福島が起きて原発の稼働が難しくなった中で、再生可能エネルギーを増やしていきましょうと。ただ日本は地理的な問題があるので、再生可能エネルギーなかなか難しいですよねと。でもそれでも環境に良いエネルギー、環境に良い電力を欲しかったら買えるわけです。ただそれが1.5倍ってなったら、同じベネフィットとしては同じ電気なのに、1.5倍払う家庭がどこまでいるかなと。
15:04
エネルギーに関しては本当にその通りだと思います。
15:10
私も個人的にびっくりするのは、そこをやっぱり平気で払っている、払うことが別に偽善とかかっこいいだろうではなくて、普通に払っている人たちがここにはいるので、そこは消費者のマーケットとして違ってくるのかなと思います。
15:26
その大きな違いっていうのは、どこにあるんでしょうか?
15:30
二つあって、元々環境意識が強いっていう理由も、これ日本とも少し相まると思うんですが、やっぱり気候が厳しいんですよね、この地域は。例えば真冬なんかですとマイナス20、マイナス25度。大雪の時期が多いですし。今でも3月になってますけども、まだフィンランドのヘルシンキは雪がまだ残ってますし、そういう意味では幼少期から結構厳しい気候に接しているっていうこともあって、持続的発展に向けた意識が強い。あとは自然環境に畏怖するというよりは、厳しい気候で接してるんだけども、やっぱりその厳しい気候の中でも彼らは自然と一体して遊んでたりはしてます。ミニマリズムじゃないんですけども、物があふれている社会ではないので。例えば真冬でそれこそ20度15度であったとしても、湖が凍ったらそこでスケートをして遊んでたりとか。そういう意味では厳しい気候なのに、壮大な自然環境と一緒に共に生きているっていう感覚が昔からあるので、そういう意味では持続的発展に対しての意識が元々強いと。あとやっぱり気候変動に対しては、これも危機感ですよね。北欧の人たちってフィンランドの3分の1かな、北極圏だと思うんですけど、北極圏って温暖化のスピードが平均の3倍ぐらいなんですよ。
16:59
そんなにですか。
17:00
そうなんですよ。いうこともありますし。それこそ北極の氷が溶けた場合は、逆にこれはより寒冷化されるだろうということも言われていて、そういう意味ではやっぱり温暖化に対する影響っていうことへの危機感。この地域やっぱり強い。この地域に限らずヨーロッパ全体だと思いますけども。熱波で人が死ぬだとか、そういったことに対してはビビッドに子供の人たちから感じていっているので、そこの危機意識は高いんだと思います。
17:37
そもそも危機が本当に身近に感じられるっていうところは、ニーズを高めていくことの背景の一つにかなりありそうですね。
17:46
そうですね。おっしゃる通りだと思います。あともう一つはベーシックインカムじゃないですけども、やっぱりベースの社会保障が安定をしているので、それって裏返しで国に対しての信頼が強いっていうことにもなるんですけども、ベースの社会保障がすごい分厚いので、そういう意味ではある程度の余裕があるっていうのはあるんだと思います。つまりお金を、それこそ環境に悪いものでも買って、少しお金をケチってでも貯金をしていこうっていう概念は、その地域ではあんまり見られないです。
18:27
その一方でスウェーデンとかは油田とかで結構っていうのもあって、構造転換とか結構やっていかなきゃいけないっていう感じですよね。
18:34
ノルウェーですかね。
18:35
ノルウェーです。
18:37
おっしゃる通りなんです。だから実はこのノルウェーだけは僕もいつも語るときすごい難しくて。ノルウェーっていうのは、今世界で一番電気自動車が売れてるマーケットなんです。新車市場の半分ぐらいは電気自動車なんです。その理由ってやっぱりじゃぶじゃぶ補助金が電気自動車買うときに入ってくるんですが、この補助金ってどこから来てるかっていうと、潤沢なノルウェーのガスと石油だったんです。だから罪滅ぼしじゃないですけども、そこのオフセットはすごい頑張ってるっていう感じはしてます。
19:13
そんな北欧各国見ながら、宗原さんのビューで全然大丈夫といいますか、ぜひお伺いしたいんですけれども、宗原さんが今注目しているClimateTechの企業であったり、領域ってどういうところなんでしょうか?特に日本の多分パースペクティブだと、もちろん情報は入ってくるんですけど、現地と全然感じ方が違うかなと思っていて、ぜひその辺りお伺いしてもよろしいでしょうか?
19:37
先ほど申し上げたとおり、フードの分野とかソフトウェアの分野ってのはすごい面白いなと思ってます。引き続き盛り上がっていくなと思っています。もう一つは、直接気候変動とは違うんですが、サステナブルの文脈で言うとサーキュラーエコノミー。廃棄を前提としない循環型経済と言われるサーキュラーエコノミーは、やっぱり注目を浴びていて、このサーキュラーエコノミーのコンセプト自体はオランダ発なんですけども、フィンランドは6年前に世界で初めて、国家としてのサーキュラーエコノミー実現へのロードマップを策定したんです。サーキュラーエコノミーになると大量生産や大量消費、大量廃棄を減らして循環させていきましょうっていうことになってくるんですけども、そうすると、サプライチェーンや製品サイクルにおけるトレーサビリティの追求がやっぱり必要になってきますと。ここで個人的にはやっぱりブロックチェーン技術がいろいろ使われるんじゃないかなというふうに思ってます。まだ成功事例がたくさん出てきてるわけじゃないんですけども、一部ブロックチェーン技術を使って、このサーキュラーエコノミーに貢献するようなスタートアップが出てきているので、そこは新しい技術を使って、この循環型経済を発展させていこうっていうビジョンに共感するケースが多いので、ここは今後の多分注目する分野じゃないかなと思っています。
21:06
最近も確かにCBインサイツの記事で、サプライチェーン系のスタートアップがかなり投資を集めているみたいな、いうのもあったんですけど、多分その背景にはサーキュラーエコノミー的なものがあって、サプライチェーン全体を変えていかなきゃいけないみたいな、そういうのもあるのかなと思って聞いていたところだったので、今のお話確かになと思いました。
21:28
おっしゃる通りだと思います。もちろん単にサプライチェーンの可視化だとか、トレーサビリティの可視化だけだったら、ブロックチェーンをあえて使う必要はないんですけども、ブロックチェーンの強みであるトークンを使って、このサーキュラーエコノミーをどうやって発展させるかっていうのは、やっぱりすごい面白い取り組みだと思うんです。一つだけ面白いなと思っている企業があって、我々が投資をしてるわけではないんですけども、ノルウェーにエンパワーっていう会社があって、サーキュラーエコノミーとか循環型経済で一番注目を浴びるのって廃プラなんです。この廃プラのところで、彼らは独自の技術を使って、例えば彼らの提携先のリサイクルステーションにプラスチックが持ち込まれると、そのプラスチックの識別番号自体が瞬時にブロックチェーン上に登録されて、リサイクルを経て最終的にどのような形に生まれ変わったかっていうのを、ブロックチェーンのリアルタイムで確認できるんです。かつ、リサイクルステーションで回収したそのプラスチック、これの量に応じてデジタルトークンが付与されるということで、プラスチックを持ち込むインセンティブになりますし、結局これコミュニティドリブンなんで、もっともっとたくさんの人がですね、プラスチックを回収して、もっともっとトークンが発行されれば、トークンの値も上がってきて、このコミュニティ全体が広がっていくので、実際にそのプラスチック回収者自体も、このムーブメントの当事者になっていくと。こういった取り組みってすごい面白いと思うんです。トレーサビリティでトークンを使った金銭的インセンティブ。こういったものが世界中にいろんな取り組みが出てくると、やっぱり面白い企業がどんどん増えてくるかなと思っています。
23:18
なるほど。確かにサプライチェーンのトレーサビリティと、ここにブロックチェーンならでは、トークン使ったインセンティブ設計ができるっていうところは、どこもまだ成功してないと思うので、全然成功のオポチュニティがありそうな感じですね。
23:34
そうだと思います。トークンを発行することでやっぱりそのコミュニティの帰属意識と、あとはこのプロジェクトを金銭的にも成功させていこうというインセンティブが生まれてくるので、もっともっとこういった分野をいろんな人にやっていただきたいなっていうふうには思ってます。
23:48
ありがとうございます。ではClimate techの話から少しそれて、いつも皆さんにやっている質問をいくつか宗原さん個人にさせていただければというふうに思っています。ぜひ宗原さんの考える灰色のサイについて教えていただきたいと思っておりまして。灰色のサイというのは、高い確率で大きな問題を引き起こすと考えられているにもかかわらず、現時点では軽視されてしまっている問題やリスクのことですと。普段はおとなしいサイが暴れだすと手をつけられなくなることから、灰色のサイというふうに言われてるんですが、宗原さんのビューから見たときに、この灰色のサイ、今の社会においてなんでしょうか?
24:24
これも気候変動ですって言いたいんですけど、そうすると全部気候変動で終わっちゃうんで、せっかくなんでちょっと別の視点で言うと、ちょっと時期が時期だけに、やっぱり今世界中の人がロシアとウクライナの事件を見て心を痛めてると思うんですね。こういったことって問題として引き起こされてるなっていうふうには思っていて、これももちろん一国の独裁者だとか、政府の一部の人が決めてるっていうのは、もちろんそうだと思うんですけど、根っこのところにあるのは、やっぱり人種差別ですとか、相手のことに対して軽視していく、自分の民族以外に対しての理解不足っていうところがすごい大きいと思うんです。私よく、昔アフリカにちょっといたことがあって、そのときにもちょっと思ったんですけど、やっぱり偏見、無知、無関心、この三つが紛争だとか、あとは世界的な戦争も含めてですけど、民族紛争とかっていうのを起こしてるなというふうに思っていて、そういう意味では偏見、無知、無関心をなくすため、あえて知らない民族、あえて知らない国家、あえて知らない歴史をやっぱりわかっていくっていうことは、すごい大事なんだなというふうに思ってます。だからそういう意味では、現時点では軽視されている課題リスクっていうのは、やっぱり将来的なこの大きな紛争、国家間での対立、他民族としての対立。我々がやれることってもしかしたら限られてるのかもしれないですけど、そういう意味では一国民、一人間として世界中のいろんな人、いろんな歴史、いろんな国のことをわかって、少しでも偏見、無知、無関心を少なくしていくと、ヘイトも減るでしょうし、こういった紛争も少なからずとも何か良い影響を与えられるんじゃないかなというふうには思います。
26:34
そこまで踏み込まれた答えをいただいたのは、今回初めてでびっくりしてます。
26:40
全然スタートアップと違う話で申し訳ないんですけど。
26:45
いやでも本当にそうしたものが、偏見であるとかが引き起こす大きな災害、人災ですけれども、ていうのは大いにありうるなと思いますし、逆にお伺いしたいんですが、先ほどアフリカでお住まいになってたからっていうふうなお話がありましたけど、具体的に何かそうしたことを感じるようになったエピソードとかってあったりされるんですか。
27:08
私、学生時代に短期なんですけどJICAさんの青年海外協力隊っていうので、アフリカのウガンダっていう国に行ってたんです。そこで野球隊員ってことで野球を教えてたんですけど、その時やっぱり野球がすごい面白いなと思っているのは、野球ってキャッチボールするじゃないですか。キャッチボールをするって、相手が取りやすいところにボールを投げていく。それっていうのはやっぱり相手のことを考えて相手が取りやすいところ、相手が一番欲しいところになって投げていく。自分の投げたい球を投げるんじゃなくて、相手が取りたい球を投げていくっていうのをずっと教えてたんですけど。ウガンダでもいろんな紛争が起きていて、隣は一番有名なルワンダですよね。フツ族とツチ族が紛争していたころもあったりしていて、一緒に暮らしていて一緒の国でお互いが隣り同士で生きていたのに、ある日突然お互いが殺し合っていくっていう、そういったものを直接現場で見たわけじゃないんですけども、そこの国にいることで学んでいったので、その時からやっぱそういったものは極力なくしていこうということで、できる限り自分のコンフォートゾーンを少し抜け出すようなことをライフワークとしてはしていきたいなと。もちろん、自分がよく知っている人で、自分が居心地のいい仲間の方がもちろん楽しいですし楽なんですけど、そこから少し飛び出して、知らない人、あえて自分とは多分合わないだろうな、要は自分とは今まで接点がなかったような人、そういったところに飛び出して、相手側の今までの歴史的背景だとか人生だとか価値観だとか、そういったものを学んでいくっていう方が、やっぱり世の中をよく知れますし、相手に対しての理解が広がるので、バイアスがどんどん減っていくんじゃないかなっていうふうには思っています。それはちょっとアフリカでの経験でそう思ってますが。
29:15
ありがとうございます。そんな本当に根本的な問題に関して目を向けつつ、未来に関してもぜひどういうビューで考えられてるのかっていうのを、ぜひお伺いしたいんですけれども。宗原さんが見ている地平線、Horizonって呼んでますけれども、より具体的には、今の業務とか投資をすることで、10年後、20年後、どういう社会とかどういう世界を作りたいというふうに思っているのか、あるいはそういう何か、どういう視点で未来を見てるのかっていうところを、ぜひ宗原さんのビューを教えていただいてもよろしいでしょうか。
29:52
これはちょっと気候変動にも関係するんですけど、やっぱり気候変動ってコストじゃないですか。戦争もコストで、これは実は避けられるコストであると。その避けられるコストをできる限り減らしながら、本当に自分たちがやっていきたいことに対してかけられるような人生だとか世界感を作っていきたいなっていうふうには思っていて。例えば10年、20年、30年っていった場合、私もちょっと子供が3人いますけども、彼らの子供世代、孫世代になったときに、やっぱり今生きてて楽しい、今も毎日毎日朝起きて興奮することがいっぱいあるんだよっていう、そんなザクッとしたのなんですけど、そういった世界を作っていきたいなと思っていて。やっぱり今VCやっててすごい思うのは、もちろんClimateTechだとか、本当に世界の名立たる課題に対して直面して、それを解決したいっていう起業家、創業者なんですけど、彼らの熱量ってやっぱりすごいんです。もちろんその課題は大きい。だけどその課題に対して自分がチャレンジしていること、あとは自分がやりたくてそれをやっているっていうこと、そういったところの熱量を感じながら仕事をするっていうのは、すごい私自身もやっぱりエネルギーをもらえますし、心底を彼らをサポートしていきたいっていうふうには思ってますと。ただ、そういった人たちばかりがいるわけでもないですし、多分そういったことを思えて起業ができる人っていうのは、実は世界的にやっぱまだまれ。本当はもっとそういうことを、新しく自分で何かやりたい、もっと意義のあることをやりたい、だけど、コストがありすぎて結局できてないっていう人が、やっぱり世界中にもいると思うので、イノベーションですとかテクノロジー世界を豊かにする限りにおいては、そういった人たちを増やして、数十年後も自分がチャレンジすること、これは別にスタートアップを立ち上げるだけじゃなくてもいいと思うんですけど、自分のやりたいこと、自分が人生で解決したい課題っていうのを見つけて、チャレンジすることに対して毎日ワクワクするような、そういった世界をいきたいです。微力ながら貢献していきたいなというふうには思ってます。
32:16
ありがとうございます。そうですね。そうした社会が作れていくといいなと思うし、子供がいらっしゃると本当にそういうことを考えることが増えるっていう話はよく聞いたりするので、本当にそこに至るまでにいろんなことをクリアしなければいけないですけど、やっていければなと私個人も思ってます。
32:34
ちなみに関連する質問で、VCっていうふうな今、業務といいますか、お仕事をされている中で、このVCっていう業界、新産業を作っていくっていうふうなことを言われてる方もいらっしゃったりしますけれども、このVCという分野、10年後20年後どんな感じになってると宗原さんの目から見ると思われますか。
32:54
少し前まではやっぱり世界中的に金余りだったじゃないですか。だからそういう意味ではVCも含めて、巨大化していくっていうのがこれまではあって、そうするとやっぱり巨大化したVCに対抗するためには、小さなVCっていうのは何か一つだけ専門分野を持っていくっていうのが必要だとは個人的には思ってます。あとはVCという言葉が本当に10年後存在するかってのは怪しくて、ヨーロッパでもコロナが起きたあと、Zoomなんかで投資判断ができたりすることも増えていって、あとはプライベートとパブリックの境目がだんだんだんだん崩れてきているので、そういう意味では、元々パブリックマーケットに投資をしていたヘッジファンドだとか、プライベートエクイティの人たちがこのスタートアップの投資の世界に入ってきています。そうすると、VCとかヘッジファンドとかPEとかっていうそういった区別っていうのは、今後も出てくるのかって言ったらそれは怪しくて、もちろんリスクアペタイトとの違いはあると思うんですけど、ただ、どんどんこういったテクノロジーの分野に対して、様々な投資家が入ってくると思うので、そういう意味ではVCという名前がそのままあるかは別ですけども、こういった投資家、あとはスタートアップを支援する投資家っていうのははなくならないですし、その投資家も二極化していく。引き続きですけどやっぱりでっかいVCでそれこそ全世界向けに、Billionクラスのアセットを持つ人と、あとは小さいんだけども尖っている、ここだけがユニーク。例えばフードテックだったら、もうフードテックだけは負けないだとか、メドテックだったらメドテクノロジーだけは負けないとか、そういった一つ何か尖ったものを持ったVC、もしくはその投資家っていうことの二極化になるんじゃないかなというふうには思っています。
34:55
確かに最近アンドリーセン・ホロウィッツのマーク・アンドリュースも似たようなことをおっしゃられたなあと記事を見て思いました。ちなみにタイガーとかがPEからVCに来て、セコイエとかがVCからもうちょっと何かPEエリアに行こうとしていてっていう中で、ぜひNordic Ninja VCは10年後20年後どんな感じになってるのか、どれぐらい大きくなってるのかとか、あるいはどういうふうに尖っているのかって、宗原さんの個人としてどういうふうに考えられてるのかなって、教えていただいてもよろしいですか。
35:28
Nordic Ninjaの名前のコンセプトがある通り、我々ヨーロッパの創業者、起業家を支援をしていって、彼らがグローバルに行くときに日本と何かを繋ぐことで成長させていきたいっていうコンセプトをずっと持ってるんですけども、やっぱりこれは、どんどんどんどん広げていきたいなと思ってます。ただ、広げていきたいっていう意味は、単純にファンドサイズをものすごい大きくしたいっていうよりは、何か日本、アジア、もしくはその辺で事業を展開していきたいっていうふうに思ってるスタートアップからは、初めてお声掛けをいただくような人たちになっていきたいなと。そういったことを考えているスタートアップが実際に何か行動を移したとき、あ、Nordic Ninjaっていたなということで、真っ先にお声がけをいただくような存在になっていきたいというのが一つですし、ちょっとどこまで現実的かわかりませんけど、10年後のスパンで考えた場合、やっぱり日本のスタートアップも、マーケットを見るときに世界で戦わざるを得なくなると思うんです。なので、今は北欧を含めたヨーロッパのスタートアップが世界で戦うために、スケールのサポートさせていただくということなんですけども、将来的にはいつか日本のスタートアップ自体が、外に出ていく、外をマーケットにするっていうこと、その時には一緒に何かお手伝いができないかなというふうに思ってますし、簡単じゃないですけども、やっぱりヨーロッパと日本をそういう意味で、バイパスある限り繋げていきたいっていうのをずっとやっていきたいなと思っています。
37:07
ちなみに兆候が見えてるのかなっていうところをお伺いしたいんですけど、北欧から日本に進出しやすそうなものは何なのかっていうところと、逆に日本から北欧に進出しやすそうなのは、宗原さんの目から見て、どういうところが具体的なフィールドとしてあるでしょうか?
37:26
Climateのところは間違いないなと思ってまして、そのClimate Techの中でもやっぱり日本って実は、ディープテクノロジーってものすごいあるじゃないですか。ディープテックというかリアルテックというかですね。北欧の場合はやっぱりイノベーションの考え方が、日本はやっぱり技術のイノベーションとなると思うんですけど、北欧は例えばビジネスモデルとか、社会実装のイノベーションが得意だったりするんです。これは彼らがやっぱりデザイン思考を持っていたりだとか、どういうふうにマーケットに売っていくかっていうことの思考が強いってこともあるんですけども、そこってうまく合わされるんじゃないかなと思うんです。それこそ日本のディープテクノロジーを使って、例えば北欧の破壊的なイノベーションのビジネスモデルを使いながら、世界に渡っていくっていうところは面白いんじゃないかなっていうふうには思います。
38:18
何かそういうことができそうな領域とかありますか。
38:26
繰り返しまた戻ってあれなんですけど、先ほどオートリーとかも含めて、代替タンパクとかフードテクノロジーって、これ絶対日本でもできますよね。ただ日本企業がやろうとするためには、日本のマーケットを見ちゃうと思うんですけど、あえて日本で作るんだけど日本のマーケットじゃないところから始めてみたらどうかなっていう。つまり環境意識っていう意味では、マーケットアダプタビリティが、まだ日本は北欧やヨーロッパに比べて少し未成熟なので、ただやっぱりいいものがある、いい技術があるんであれば、先に日本ではなくて、先に例えばヨーロッパで売って逆輸入していくみたいな、そこはすごいあると思うんですよね。
39:09
確かに何か美味しい代替肉なんかを日本が先に作っちゃって、日本は日本では多少売りつつ、ヨーロッパをメインの売り先にするみたいな。
39:19
そうですね。肉はもうかなりコンペティション激しくなって、もうレッドオーシャン化してると思うんですけど、まだまだ代替チーズじゃなくても、代替ヨーグルトとか代替、それこそ魚の分野もそうですよね。そういったところって、それこそ魚介類をたくさん食べる日本だからできることかもしれないですし。
39:40
そうした分野では、ぜひ日本企業とかスタートアップも出てきてほしいなと個人的には思ってます。
39:46
おっしゃる通りだと思います。むしろ大企業さんの方ができないと思うんですよね。あえて日本のマーケットを無視して先にヨーロッパ行って逆輸入っていう発想って、かなり大企業さんではOKがもらえずらそうなコンセプトじゃないですか。であれば逆に言うと、そういったニッチなやり方を捉えられるのは、むしろスタートアップだとかなんじゃないかなと思いますね。
40:12
確かに。次の回では、次の次になるかもしれませんけれど、ビヨンドネクストの有馬さんにその辺話してもらおうかなとちょっと思いました。
40:21
それは絶対面白いですね。
40:25
アグリ、フードテックの未来を実装するというのがありますので。では、最後の質問なります。これも先ほどの質問と少しかぶってしまって恐縮なんですけど、皆さんに聞いているので、ぜひ聞かせていただきたいと思っているんですが、孫の世代の人たちのために、どういう未来を作りたいと思っているのかっていうところを、ぜひ妄想で構わないので、改めて理想の未来を、宗原さんの考える理想の未来を教えていただいてもよろしいでしょうかはい。
40:50
先ほど申し上げたのとすごいかぶると思うんですけども、毎朝起きたときにワクワクする未来っていうのを作りたいと。もう少しちょっと解像度を上げていくと、自分がやりたいことがまず見つけられる環境にあって、やりたいことがあったらそれをチャレンジ、チャレンジすることをやっぱ応援する社会。これは資金面もそうですし、社会制度もそうですし、あとは多分、世間的な土壌もそうですよね。例えば北欧とかイスラエルもこれ同じなんですけども、やっぱりすごいスタートアップエコシステムでやっぱすごい好きなのは、キャリアが一つじゃないんです。例えばスタートアップで失敗してもそれ失敗とみなされなくてラーニングだって言われるんです。そのキャリアが一つじゃないっていうのは、例えば日本みたいに一斉に大学卒業したら就職するっていうこともないですし、ずっと勤め上げるっていうこともないんですけども、例えば5年とか10年で1回スタートアップを立ち上げてうまくいかなかったら、それこそ大企業のフィンランドで言うとノキアで働いて、ノキアでやったらまた面白いこと見つけたら、また起業したりですとか、その逆もありますと。大企業で働いていて40から起業して、成功したらそのまま投資家になって。例えばその起業自体がうまくいかなかった場合には、また別の企業に参加したりとか、やっぱりここが、すごいパズルがいろいろ柔軟なんです。なのでそういった社会を、特に私も日本人で、日本が大好きなので、日本を含めてそういった社会にしていきたいですし、若い人たちがチャレンジするときには、もうどんどんチャレンジしろと。成功するまでやり続ける限りは失敗はないというような、未来、社会を作っていきたいなというふうに思ってます。
42:37
本当にそういうフレキシビリティとかではないですけれど、いろんなセーフティーネットを用意した上で、みんながチャレンジできるような、豊かでかつ、なんかワクワクする未来ってのが作れるといいなと思いますし、そのためにはやっぱり今、直近ClimateTechとか、人、Climateの問題であるとか、本当に戦争の問題であるとか、直近解決していかなきゃいけない問題を解決しつつ、そっちに向かっていけるといいなと本当に思ってます。
43:01
すいません。ちょっと抽象的な話だったんですけど。
43:04
いえいえ。ちなみにそういう何か40代で何か起業するみたいなことって、本当に何か宗原さんの周りでもいらっしゃったりするんですか。
43:12
おっしゃる通りで、実は起業家の年代が割と若くないんですよ。アメリカとかに比べて。フィンランドで言うとノキアとか、スウェーデンだったらそれこそのボルボとか、エリクソンとかそういった大企業で働いて、そこで培った技術、経験を生かして自分で立ち上げるっていうことで、私達のポートフォリオ企業の中でも40代の起業家、場合によっては、一つフィンランドの会社には60代の起業家もいます。
43:46
そんなに、なんですね。
43:49
そうなんですよ。60代の人でもやっぱり目を輝かせながら、こういったものを作っていきたい、こういったものにチャレンジしたいんだっていうことを目輝かせて言っているので、やっぱりそこは年齢に関係なく面白いなっていうふうに思います。
44:06
日本もそういう社会になると、もっと起業家が増えてきて、もっといろんなイノベーションが起こって、もっと豊かになっていくっていうのがあって欲しいなと思ってます。
44:17
おっしゃる通りですね。いろんな方向からイノベーションを考えていけるようにするっていうことじゃないかなとは思いますね。固定概念のその20代でスタートアップをやって成功してっていう、そういうだけではなくて、いろんなやり方、いろんなキャリア、いろんなパスがあるっていうことを、それこそ実装していきたいなと思っています。
44:36
今日は宗原さん、本当にお時間いただきましてありがとうございました。そろそろお時間なので。いろいろと北欧のクリーンテックの事情に加えて、宗原さんがいつも見られている長いスパンでのビューっていうのを今日お伺いできて本当に勉強になりました。
44:51
こちらこそありがとうございました。