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VC の ESG 投資の未来を実装する

PRI に署名されたジェネシアベンチャーズの河合さんにお越しいただき、スタートアップにおける ESG 投資の未来などについてお話を伺います。

イベント日時

2022 年 2 月 28 日(月) 19:10 ~ 20:00

録音の公開先

Apple Podcasts, Spotify, Google Podcasts で公開します。

河合さんのプロフィール

農林中央金庫にて約10年間、欧米市場における社債やクレジットデリバティブなどの信用商品、仕組債や証券化商品などのストラクチャード商品に対するオルタナティブ投資業務に関わる。その後、KPMG FASでのM&Aアドバイザリー業務経験を経て、2011年に日本政策投資銀行に入行。同行では財務部でALMなどを担当したほか、DBJアセットマネジメントでは海外PEファンドへのLP投資及び国内機関投資家営業に従事して同社のAUM拡大に貢献。2017年よりDBJキャピタルに出向し、ベンチャーキャピタリストとしてシード/アーリー期の国内ベンチャー企業に対する投資及び国内外VCファンドに対するLP投資に従事。2021年以降は同社の取締役投資部長として、投資戦略の策定や投資判断を行うとともに、DBJグループ取引先の大企業と投資先ベンチャー企業との連携支援にも注力。

2021年9月より株式会社ジェネシア・ベンチャーズに参画。東京大学/経済学部卒。UCLA School of Management MBA。

河合 将文 | 株式会社ジェネシア・ベンチャーズ(Genesia Ventures, Inc.)

ジェネシア・ベンチャーズ

ジェネシア・ベンチャーズの「Genesia(ジェネシア)」は、起源や創生の意味を持つ“Genesis(ジェネシス)”に“Asia(アジア)”を掛け合わせた造語で、「アジアの創生を担うベンチャーキャピタルでありたい」という私たちの思いを表現しています。

世界は今、デジタルの力によって新たな創生期を迎えていると言っても過言ではありません。そして、その大きなゲームチェンジの中心にいるのは、間違いなく「スタートアップ」です。これまで世界を牽引してきた巨大な産業は、デジタルの力による新たな進化の局面を迎えています。また、一般的なインフラやアセットを必ずしも必要としない、デジタルによる全く新しい構造の産業も構築されています。

私たちは、この世界の新たな“あるべき姿”を実現するスタートアップにシード・アーリーステージでの出資と成長スピードの最大化へのコミットを通じて伴走し、新たな産業を創造するプラットフォームの一員として、「すべての人に豊かさと機会をもたらす社会」を実現していきます。

株式会社ジェネシア・ベンチャーズ(Genesia Ventures, Inc.)

書き起こし

※以下はAIによる書き起こしです。あくまで参考程度にご覧ください。

00:00
では今日はPRIに署名されたジェネシア・ベンチャーズの河合さんにお越しいただいて、VCのESG投資の未来ということで、未来を実装するということで、河合さん今日はどうぞよろしくお願いします。

00:11
どうぞよろしくお願いします。

00:13
今日は本当にこの新しい取り組みとして、PRI原則に署名をされたということでその背景であるとか、どういう理由で河合さんが普段VCの世界を見られているのかっていうところをお伺いできればというふうに思っています。

00:26
承知しました。よろしくお願いします。

00:28
よろしくお願いします。では早速ですが河合さん簡単にプロフィールと、どういうVCなのかというふうなところをご紹介いただいてもよろしいでしょうか?

00:38
簡単にちょっと自己紹介させていただきますと、私は東京大学の経済学部を卒業しまして、新卒ではですね、農林中央金庫というところの投資部門で10年間ほど海外マーケットでのオルタナティブ投資を行っておりました。その後アメリカ留学を経て、KPMGでM&Aやコンサルタントを経験してですね、その後2011年に日本政策投資銀行に入行しております。DBJではですねアセットマネジメントビジネスなんかを行っておりましたけれども、2017年から子会社ベンチャーキャピタルのDBJキャピタルというところに出向いたしまして、そこからが私のベンチャーキャピタリストとしてのキャリアスタートということになるんですけども。今はですね昨年の9月に、今現在のジェネシア・ベンチャーズという独立系のシードVCに移籍をしまして、今は創業間もない国内のスタートアップ企業に投資を行っているのと、あとはですねPRI署名とか、ESG投資方針の策定なんかも含めて弊社のESG投資、また投資先企業に対するESG経営支援の取り組みなんかをリードさせていただいております。

01:39
ありがとうございます。ぜひそのESGの辺り早速お伺いしていきたいんですけれども、このVCの中で、日本のVCの中で特にこのPRI原則であるとかESG投資であるとかって、前面に押し出してるところってそこまで多くないと思うんですけれども、今回河合さん達ジェネシア・ベンチャーズがなぜこの分野に、前面に出してやっていこうって決められたのか、ぜひ背景をお伺いしてもよろしいですか。

02:06
今、馬田さんおっしゃられた通り、国内でもですね、まだVCでPRI署名してる方って本当に数えるほどしかなくてですね、弊社が5社目ということになるかと思うんですけども、同じ非上場企業を対象にしているアセットクラスでいうと、対象にしてるアセットクラスっていうと、プライベートエクイティファンドの世界なんかでは比較的進んでると思うんですけど、VCではまだまだ進んでないというのが実態だと思います。そんな中で弊社ではそういう意味では、ある意味率先的に署名をさせていただいたわけですけれども、ちょっとそのPRI署名に至った背景とか、あるいはちょっとその先にどういった姿を見てるのか、みたいなところを少し分けてご説明させていただくのがいいのかなと思っております。まずですね、PRI署名に至った背景なんですけども、一つはやはり長期的、あるいは持続的に企業価値を生み出していくためには、ESGの要素を考慮するってのは、このスタートアップの経営者にとっても弊社のような運用会社にとってもですね、不可欠な時代になっているなと思っておりまして、またそういった流れは不可逆なものになっているというふうに考えております。おそらくいくつか要因があると思うんですけれども、この脱炭素に向けた国際的な政治経済上の枠組みですね、こういったものが急速に整備されていく中で、こういった枠組み自体は産業構造のあり方とか、あるいは企業経営の前提条件に非常に大きな影響を及ぼすゲームチェンジャーだというふうに考えています。またそのESG投資が非常に加速してると思うんですけれども、金融資本市場からの圧力も強まっていく中でですね、例えば非財務情報の開示なんかも含めて、実務対応は非常に複雑化していく方向性にあるのかなというふうに思っております。さらには今企業価値の源泉って、有形資産から無形資産に大きくシフトしているというふうに言われておりますけれども、例えば人的資本だったりとか知財、知的財産ですね、こういったものが企業の競争力にとって非常に重要性を増していると。こういったことが挙げられるのかなと思っておりまして、こういった複合的な要因によってですね、まさに企業経営におけるゲームのルールが変わったというふうに捉えておりますし、単にこの自社の利益の最大化を目指すだけではなくていろんなステークホルダーに配慮した、社会全体にとっての共通価値を生み出すような企業でないと、今後はなかなか生き残りが難しい時代になってきたのかなというふうに感じております。大きな環境認識としてはそういったことなんですけれども、これまでESGの問題って、どちらかっていうと上場企業とか大企業の問題っていうふうに捉えられてきたと思うんですね。ただこの大きな流れは非上場企業、スタートアップにも波及してくるだろうなというふうに思っておりまして。例えばスタートアップがIPOするとき、あるいはESGを重視するような大企業から買収提案を受ける場合にですね、このESG経営にきちんと対応できているスタートアップと、そうでないスタートアップでは、評価額にも違いが出てくるようになるんじゃないかなというふうに考えています。また先ほども触れましたけれども、情報開示とか、ガバナンス体制の構築みたいなことで実務も非常に複雑になってきてますので、やはりなるべく早い段階からですね、このESG経営を意識して、少しずつ体制を構築していく必要があるのかなというふうに思っております。そういう意味ではPRIに署名すること自体でですね、何か直接的な効果がもたらされるわけでは決してないかなというふうに思っているんですけども。これをきっかけに私自身がですね、投資先のESG経営支援をしっかりやっていくんだっていう覚悟を対外的に示すといいますか、今後の我々自身の具体的な取り組みにコミットする環境を作り出すことを目的にしてですね、ある意味では我々自身の決意表明ということで署名をさせていただきました。またですね、外部のいろんな方に我々のこういったスタンスを明らかにすることで、共通の価値観を持つ、共感していただけるですね、ステークホルダーの皆さんと共用する機会というのも増えていくんじゃないかなというふうに期待をしておりまして、その意味では今回のこういった形でですね、馬田さんと対談をさせていただく機会をいただけたというのもそのような効果の一つの表れかなというふうに思っております。

05:59
確かにそうですね。

06:02
本当にありがたい機会をいただけたなと思ってですね、署名してよかったなと思ってるんですけども、この辺がちょっとPRIに至る背景みたいなところなんですけれども、やっぱその先にちょっとどんなことを考えてるかみたいなところで言うとですね、私達日本に新しい産業を生み出したりとか、あるいは既存産業のアップデートによって、活力のある日本社会を実現したいというふうに思っているんですけども、そのためには当然ながら、私達単独ではできないことっていうのはすごく多いので、なるべく多くのステークホルダーを巻き込んでですね、参加者全員がwin winの関係になって、一丸となって、一緒にですね、起業家を支援していけるような、体制を作っていきたいなとそういうところを目指して活動しております。我々の中で、これは産業創造プラットフォームを目指すというふうに言ってるんですけども、そういう意味ではVCという業態の定義こだわっていませんし、新しいスタイルを追求していきたいなと思ってるんですけども、ただこういった産業創造プラットフォームを構築するにあたって重要になってくるのは、やはりいろんなステークホルダーの立場をきちんと理解してですね、お互いにメリットを共有しながら、組織あるいは業界の垣根を越えて一つのチームとしてですね、尊敬し合えるような仲間をどれだけ増やしていけるかってすごく重要になってくるかなと思ってまして、そこで一つ鍵になるのがESGだというふうに思っています。ある意味いろんなステークホルダーにこのESGという横ぐしをさすようなイメージなんですけれども、複層的で強固な関係を作っていってですね、そのための経営軸としてESGを位置づけているというところです。

07:34
ESG、皆さんと他の方々でコラボレーションしていくっていう意味でも大事だというふうなところと、確かに時価総額という観点でも、おっしゃる通り大事なのかなというふうに思っていて、ユニリーバさんがダラー・シェイブ・クラブ買収したのも結構高い評価額だったのって、割と環境に良いビジネスだったからっていうふうなところの背景があるというふうに伺ってまして、やっぱりそうしたビジネスにもすごく影響してくるっていうふうなところで、ESG経営であったりとか、ESG投資っていうふうなところが、VCとしても重要っていうふうになってきてるっていう。

08:08
おっしゃる通りですね。元々スタートアップとESGって本来すごく親和性が高いと思っているんですよね。例えば財務情報ではなくて、非財務情報を重視するみたいなところで言ってもですね、我々普段特にシードアーリーステージの早い、初期段階のスタートアップに投資をしているからというのもあるかもしれませんけれども、投資判断をする際には基本的には非財務情報ばかりしかほとんど見てないですし、あとは起業家さんも元々何らかのこの社会課題を解決するために事業を起こされている方が多いと思いますので、そういう意味では本来的にはすごく相性のいいところなんだろうなというふうに思っています。

08:45
ちなみに先ほどPRIに署名してっていうところは、直接的な効果はあんまりないっていうふうなことをおっしゃられてたと思うんですけど、今回ESG投資していきますみたいなところで、そういうスタートアップから引き合いが増えたとかってないんでしょうか?

09:00
起業家さんからもですね、そういったことでお声掛けいただく機会が増えているので、そういう意味では直接的な効果もあるかなというところなんですけど。あとは起業家さんだけではなくて、VCの方からもですね、自分たちもPRI署名を考えてるんでちょっとどんなふうにのか教えてくださいとかですね、ちょっとどういうふうにやっていくか一緒にディスカッションさせてくださいみたいなお声がけもいただく機会が増えておりまして、確かにそういう意味ではこういったESGとかにご関心の高い方々との協業の機会っていうのはこのPRIへの署名をきっかけに増えていくのかなというふうに思っております。

09:33
逆にどうなんでしょう、ジェネシア・ベンチャーズさん、割とシードステージから投資されてると思うんですけれども、御社に投資される前にESG経営的なものを考えておかなければいけないのか、それとも、後からちょっとそういう経営に移していくのか、どういう判断をその辺りされてるんでしょうか?

09:54
スタートアップのESG系って何なのかっていうのは、すごく議論になるところかなと思うんですよね。ある意味これまでこのスタートアップとかVC業界にESG投資がなかなか根付いてこなかった理由でもあると思うんですけれども。当然ながらスタートアップの場合、リソースもすごく限られてますし、それこそ明日の生き死にをかけてですね、事業を成長させることに120%全身全霊を注ぎ込んでいるので、そういったスタートアップにとってのESG経営ってそもそも何なのか、意味があるのかっていうような意見も当然あると思います。あとは大企業中心に一般的に考えられてるようなESG経営の実践ってやっぱり難しいと思いますし、それを押し付けるような形になってはですね、スタートアップにとって迷惑なだけではないかといったようないろんな議論があるだろうなというふうに思っています。当然ながら、元々上場企業とか大企業を前提に構築されたESGのストラクチャーがですね、そのままスタートアップに当てはまるわけではないというふうに思ってますし、特に我々のようなシード期で投資を行うVCとかスタートアップにとってはなおさらそうだと思うんですね。ただ今後ですね、社会にとっての共通価値を生み出すような、いろんなステークホルダーに配慮した経営を行う必要があるということ自体は、これは上場企業であってもスタートアップであっても同じだなというふうに思っていますので、既存のESG投資という言葉の定義にこだわるつもりはないですし、スタートアップであってもやるべき最低限のことっていうのがあって、またやった方が事業成長にとってもプラスになることがあると思ってるんですね。なのでこれをきちんと見定めて、スタートアップならではのESG経営のあり方っていうのを自分たちなりに作り上げていきたいなというふうに思っていますと。そこでよく問われることとしては、その経済的なリターンとのバランスとかをどうやって測るんですかみたいなことを聞かれたりもするんですけれども、先ほどのご質問に繋がる部分でもあると思うんですが、我々は経済的リターンとのトレードオフとかですね、経済的リターンを犠牲にするという発想自体は全く持っていなくてですね、ちょっと繰り返しになりますけれども、一方的なESGの押し付けをしない、また起業家さんに余計な負荷をかけない、起業家さんにメリットを感じてもらえる政策をやっていきたいなと思ってまして。そう意味では私達自身が主体的に支援して、合わせてソリューションも提供していくようなそんな制度設計にしたいというふうに考えています。なので、何か形式的で画一的なルールを当てはめるというわけではなくてですね、個別個別の状況を勘案して、テーラーメイド的なアプローチも必要になってくるかなというふうに思ってます。ですので、先ほど我々から投資を受けていただく際に、最初からESGを意識していただく必要があるかどうかということでいうと、必ずしもそんなことはなくてですね、そこを一緒に作り上げていきたいというふうに思ってます。我々やっぱり、投資先企業のESGに関する対応状況を評価するという立場ではなくてですね、その必要性を理解してもらった上で、我々自身がこのESG自体を一緒になって進めていく、もっと言えば先ほど申し上げた通りソリューションも併せて提供していくことが必要だというふうに思っています。例えば少し具体的に言うとですね、優秀な人材の採用力に直結するような組織作りですね。強い組織作りみたいなことについては、これ起業家さんにとっても非常に必要性を感じてもらいやすいですし、これについて言うと、我々が提供できるソリューションとしてですね、まさに今、外部の専門家の方と一緒になって、初期段階のスタートアップに適した従業員満足度を計測するための独自サーベイの開発なんかも行っております。またですね、例えば守りのESGというふうに言えるかもしれませんけれども、リスク管理の観点から最低限やるべきこともあると思ってるんですね。例えば、ITサービスにおいてもですね、プライバシー保護、個人情報保護への対応だったりとか、あるいはAI倫理の問題なんかですね、こういった規制強化が進む中で、こういった問題に適切に対応できないと、事業所のリスクとして顕在化してしまう可能性も十分あり得るかなというふうに思っています。あとはですね、スタートアップの場合、どうしてもリソースも限られていますし、事業成長にフォーカスしてますので、対応までの時間軸についても柔軟に考えたいなというふうに思っています。ある課題について、例えばそれが今すぐできてないとしてもですね、これは3年後までに解決しましょうといったようなことを経営者の方と確認をして、一定期間が経ったところで例えばKPIとして計測を始め、その後にですね、PDCAを回していくといったような形で、段階的に対応していくのが現実的かなというふうに思っております。

14:20
そういうソリューションを用意されてるのは素晴らしいなと思うんですけど、実際にスタートアップにそういうソリューションを紹介したときに、どういう反応がこれまで来たんでしょうか?

14:30
そういう意味では今まさにソリューション開発を行っているところでですね、実際に提供できる段階に今の時点ではまだ至っていないんですけれども。ただですね、そのベースになるような取り組みというのは、これまでも我々VCの支援活動の中でやってきていることの延長線上かなというふうに思っておりますので、例えば強い組織作りみたいなところも、弊社これまでもですね、コーポレートアイデンティティの策定支援とか、あるいはチームカルチャー作りみたいなところのアドバイスも含めてですね、いろいろノウハウ提供してきておりますので、それを少しシステマティックな形に変えていくという、そんなイメージかなと思っております。

15:13
とはいえ、延長線上だとESGっていう感じでもないと思うんですけど、特にこのあたりを河合さんとしてやっていきたいとか、何かあったりされますか。

15:24
投資対象としてのESGっていうのと、投資先スタートアップに対する支援活動としてのESGっていう二つ分けて考えています。投資対象に関してはやはりEのとこですね、環境のところClimateTech、こういったとこの投資についてはこれからもっと積極的にやっていきたいなと思っています。一方で、既存の投資先スタートアップに対するESG経営の支援というところについて言うと、やっぱりSとかGのところがどちらかというと中心になってくるかなと思ってます。Sのところについてはやはり人的資本、先ほど申し上げたような組織作りのところですね。この辺の強化に資するような取り組みをやっていきたいっていうのが一つと、あとはガバナンスのところで言うと、先ほど申し上げたようなプライバシー保護みたいなところも含めてですね、やっていく必要があるかなと思ってます。あとは例えば、スタートアップにたまに起こることでありますけれども、例えば何か資金の不正な流用が起こるみたいなことですね。そういったことを防ぐための措置をどういうふうに作っていくかとかですね、そういったところも含めて、ガバナンスの強化っていうところもサポートしていきたい項目の一つですね。

16:32
なるほど。先ほど投資対象としてのE、Environmentのところっていうふうなお話があったと思うんですけれども、ジェネシアさん確かもう本当にアジア、特に東南アジアも含めていろいろと見られているというふうに思うんですが、他の国と比べて、この日本のEの投資対象となるスタートアップって何か、特色とか何かあったりされますか?

16:53
どうでしょうね。ちょっと他国と比べての特色というのが、ちょっとわからないですけれども、ただここ最近、やはりすごくこの領域で活動されている企業がすごく増えてきたなという実感を持っておりまして、すごく幅もあるかなというふうに思っています。例えばすごくテック寄りなところですね。廃棄物の削減だったり循環利用が促すような技術、例えば触媒のような化学系のスタートアップもあればですね、CO2のアップサイクルだったり、CCUSとかダイレクトウェアキャプチャーのような、直接的に脱炭素に繋がるような技術を開発されている起業家さんもいれば、一方で気候変動シミュレーションのようなデータを使ってですね、企業や人のリスク管理に貢献するような技術を開発されている方もいればですね、一方でこの情報開示支援ツールですね。ESGに取り組む企業を支援するような技術を開発されていたり、あとは環境に限らずですけれども、働き方の多様化とか、従業員エクスペリエンスを高めるためのツールを開発してるようなスタートアップということで、非常に幅広くいろんな分野に取り組まれてるのかなという印象を持っております。

18:04
ここ数年ですごく変わったっていう印象なんでしょうか?

18:09
特にやっぱりこの炭素会計周りとか最近すごくプレイヤーも増えてきていると思いますし、この辺の熱量というのはすごく上がってきてるなという感じはしますね。

18:22
そうしたスタートアップが増えてくると私も個人的にいいなと思っていて、それでこういうディスコードをしてるんですけれども。

18:28
なるほどですね。

18:29
ぜひ増えてきてほしいなと思っています。

18:32
もっともっと増えてくるんじゃないかなと期待してます。

18:35
そのためには、やっぱりESGで投資しますというふうなVCの皆さんも増えてくるといいなと思うので、ぜひ御社を皮切りにもっと多くのVCの皆さんが、本当にPRIに署名して、署名せずとも、ESGであったりとか、エンパワーメントのスタートアップにどんどん投資していくと、日本も盛り上がっていくのかなと個人的に期待しています。

18:57
おっしゃる通りですよね。こういったところもやっぱり鶏卵みたいなところがあるのかなと思ってまして。やっぱり投資する側もいろんな選択肢がないとなかなか投資しづらいってのはあるでしょうし、投資家が投資機会があるというふうに見てないとなかなか起業する方もですね、資金を集めづらいっていうなこともあるかと思いますので、やっぱりお互いに情報発信をしていく中で、ここに今すごくやっぱり投資する側も起業する側もオポチュニティーがあるんだっていう熱量が高まってくると、加速度的に盛り上がってくるってことありますよね。

19:26
いやその熱量をぜひ高めたいなと思ってます。ぜひ協力いただけると嬉しいです。

19:31
こちらこそよろしくお願いします。

19:33
そんな中でいつも皆さんにやっている質問を少しさせていただければというふうに思っています。河合さんが考える、灰色のサイですね。高い確率で大きな問題を引き起こすと考えられるにもかかわらず、現時点では軽視されてしまっている課題やリスクのこと。この灰色のサイ、河合さんが考えるこの灰色のサイはなんでしょうか?

19:55
なかなか難しい問いだなと思うんですけれども。高い確率で大きなリスクに繋がるかどうかってのは、ちょっとわからないんですけれども、比較的見落とされがちかなという意味でちょっと申し上げると、多くのやっぱり起業家さんって先ほども申し上げた通り、社会課題の解決を目的に事業を行っておられますし、我々VCもですね、多くのVCはテクノロジーの力を信じて、それによって世界をより良い方向に変えたいと思ってると思うんですよね。ただそれと同時に我々ベンチャーキャピタル自身も、投資家様の大切な資金をお預かりして運用してる立場でもありますので、受託者責任を果たすという意味でも、経済的なリターンの最大化を図るっていうのはやっぱり前提になりますし、そういった立場からテクノロジーを考える際にはですね、どうしてもテクノロジーのポジティブな面にばかり目が向きがちになるのかなというふうには、なんとなく思っておりまして。私自身もこのテクノロジーの可能性、本当に強く信じてますけれども、どんな有望なテクノロジーでもですね、これがひと度間違った方向に使われたりとか、あるいは社会的に受け入れられないような環境を作ってしまうとですね、期待されたように社会実装に至らず、本来そのテクノロジーが持っているその潜在的な力を、発揮できずに終わってしまうリスクもあるんじゃないかなというふうに思っています。本来なら社会にとって非常に有益なテクノロジーがですね、意図せぬ誤解で社会から拒絶されてしまうと本当にもったいないことだと思うんですよね。例えば先ほどもちょっとAI倫理の話ししましたけども、それなんかも本当にそうかなと思ってまして、これまでも人材採用AIが男女差別をしたりとか、あるいは会話botが突然差別的な発言をし始めたりとかですね、画像認識AIの認識率に人種による差が生じたりといったような問題、これまでもたくさん発生してきておりますし、そういったことも受けて世界的にも今AI倫理、責任あるAIの実装に向けた規制の議論なんかも進んでると思うんですよね。こういったそのテクノロジーが持つ負の側面にもきちんと目を向けて、そのテクノロジーを人間中心のデザインに組み込んでいく。社会実装を阻害しかねないような潜在的なリスクにも、事前に対処していく姿勢っていうのは大事だなというふうに思っておりまして、VCにはそういう役割もやはり求められるのではないかなというふうには考えています。もしかするとこれってテクノロジーに限らず、スタートアップとかVC業界にも全体にも言えることなのかもしれないんですけれども、今スタートアップに対する世の中の期待とか、注目度がすごく高まってると思うんですけども、やはり尊敬されるコミュニティとして健全に発展していってほしいなというふうに思っていますし、ますますですね、成熟した業界になっていくために、私自身もその当事者として、いろんなステークホルダーに配慮した事業展開だったり投資活動だったりが、必要になってくるかなというふうに感じていますと。なのでちょっとそのあたりがですね、私が今ベンチャーキャピタルとしてのESG投資とかESG経営に取り組む大きなモチベーションになっているのかなというふうに思ってます。

22:55
VCの方が技術的なリスクに関して目を向ける責任があるっていうふうなところは、ある意味すごくおっしゃる通りといいますか、それやっていただける方が増えると、スタートアップ側も言われたら多分気づくっていうところが多いと思うので、素晴らしいですよね。

23:14
やっぱりこのVCの場合、起業家さんの場合は当然その事業領域については一番深く理解をされてると思うんですけど、VCに一つメリットがあるとすると、いろんな事例をたくさん見ることができますので。特にその再現性があるのは、成功の再現性よりも多分失敗の再現性の方が高いと思うんですよね。なのでそういう共通項をくくった上でですね、そういう技術的なフォローも含めて、ご支援できるとすごくいいのかなというふうに思ってます。

23:40
あとは先ほどおっしゃられていた、コミュニティとしてスタートアップが今期待されてる中で、コミュニティとして尊敬されるようになっていかなければいけないっていうふうなところは、本当にそうあってほしいなと思いますし、何か事故が起きてからやるよりも予防していった方が絶対いいと思うので。具体的に河合さんの方で、もし何かこういうのをやっていくと尊敬されるスタートアップコミュニティ、スタートアップもVCも含むコミュニティになっていけるんじゃないかなっていうのってあったりされますか。

24:12
こうやると尊敬されるVC、やはりいろんな立場の人にとって、いろんな方の立場に立ってですね、それぞれの方にメリットを還元していく姿勢っていうのがまず必要なんだろうなと思っています。どうしても起業家さんの場合には、事業成長というところが非常に重要になってきますので、利益を上げる、例えばファイナンスに向けてですね黒字化するとかですね、KPIを達成するみたいなところに当然集中することになりますので、ただどうしてもそうなると、それ以外のところっていうのが置いてきぼりになる可能性ってのはあるんじゃないかなと思ってるんですよね。いかにそういったところにも目を向けられるかっていうのが大切だと思っています。ただ先ほど申し上げたような何か意図しないような、例えば差別に繋がるようなサービスになってしまうとかですね、そういったことがないようにどれだけ細やかに配慮できるかみたいなところは大事な要素なのかなと思います。

25:16
ある意味、個人的にもこの前とあるVCさんが今後どういうサービスを提供していけばいいのかみたいなアンケートをTwitterで取ってて、そこでパブリックアフェアーズの機能とかをぜひVCさんで作ってくださいみたいな話をしたんですけれども、ある意味スタートアップは事業成長を基本的には求めていきつつ、VCの側でそのスタートアップの社会的な意義であるとか、意味であるとかいうのをきちんと位置づけてあげて、こういう意味がある、こういう意義がある、そしてこういう価値をおそらく社会にもたらすであろうみたいなところをちゃんとコミュニケーションしていってあげるっていうところは、もしかしたらできる一つのことなのかなとちょっと思いました。

25:56
そこってやっぱりお互いに相乗効果があるところでもあるのかなと思っておりまして、やはりそういったビジョンがすごくしっかりしているスタートアップさんであると、そこに共感してくれる人たち、優秀な方々が集まってくるっていう効果もあると思うんですよね。

26:12
なのでやはりそのコーポレートアイデンティティとか、どういった社会課題を解決するために事業やってるのかみたいなところってすごく大事だと思いますし、またそれをきちんとメッセージとして伝えていくことでですね、そういう仲間がまた集まってくるという好循環があると思いますので、その辺のところは我々としてもサポートできる部分なんじゃないかなと思ってます。

26:31
ありがとうございます。では次、皆さんにしている質問として、もう一つあるのでこちらも聞かせてください。河合さんが見ているHorizonをぜひ教えてくださいというふうな質問です。HorizonってのはHorizonの悲劇っていうふうな言葉からとってきてるんですけれども、悲劇ではなく単純に数十年後とか、非常に遠い長期的な視点で何を見ているのか。例えば今回ジェネシア・ベンチャーズあるいはそのPRIに署名することで、そういうVCの分野であったり、あるいはESGという分野が10年後どうなっているのかっていうふうなところ、ぜひ河合さんがどういう10年後20年後の地平線を見つめているのか、ちょっとお伺いしてよろしいでしょうか。

27:13
地平線。ちょっと先ほどそのPRI署名に至った背景みたいなとこ、その先どういうところを見据えているかみたいな話と、ちょっと重複するかもしれないんですけれども、やはり産業創造プラットフォームを作っていきたいみたいな発想はすごくあるんですよね。VCが単体としてっていうことではなくてですね、いろんなステークホルダーと共創しながら、みんなでスタートアップコミュニティを高めていくみたいな取り組みができたらすごく美しいなと思っておりまして。そもそもその産業創造プラットフォームみたいなものが何で必要なのかっていうことなんですけれども、やはりこれまで以上に解くべき社会課題って大きく、また深くなってきてるのかなというふうに感じておりまして、これは逆に言うと、これまで解決できなかった社会課題が解決できる環境になってきたということでもあるのかなと思っていますし、それを可能にしているのが、大きな要因がですね、テクノロジーの進化だというふうに思ってます。AIとかロボティクス、あるいは材料科学、センシングなどなどですね。それぞれのテクノロジー単独での発展というのもあるでしょうし、そういうものがコンバージョンすることで指数関数的な進化が起こっているということで、今本当にいろんな課題が解決できる時代になってきたのかなというふうに思っているんですね。その解ける社会課題が大きく深くなってくると、やっぱりそこに関わってくるステークホルダーも増えてきますので、どっかが単独でやるというよりは、スタートアップ、大企業、あるいは行政とか金融機関、アカデミアとかですね、例えば地域社会NPOなんかも含めて、みんなが共通の思いを持って、一体となって知恵を出し合っていく必要性というのが、以前よりも増してきてるのかなというふうに思っております。なのでそういった産業創造プラットフォームみたいなものが、どんどん出来上がっていくといいなというふうに思っております。逆にそうなったときといいますか、ある意味今VCってすごく変化の時期にもあるのかなというふうに思っていまして、実はアンドリーセン・ホロウィッツなんかはすごく大きくなっていくみたいな。最近も確かマーク・アンドリーセンがちっちゃいか大きいか、その中間はあんまりないみたいなことをツイッターか何かで言ってた気がするんですけれども、VCという形が多分これまでと違う形になっていく可能性はあるのかなと思っていて、それも含めて産業創造プラットフォームっておっしゃられているのかなというふうに思っています。そうして見て、ジェネシア・ベンチャーズさんが本当に超成功したとき、その産業創造プラットフォームっていうコンセプトが超成功したときには、どれぐらいの大きさとかどれぐらいのすごいことになっているとお考えでしょうか?

29:55
なかなか難しいところですけれども、期待も込めてというところではあるんですけれども、本当に時価総額1兆円企業みたいなものがボンボン生まれてくるような、そんなプラットフォームになるとすごく嬉しいなと思いますね。

30:15
逆に何かそこに至るまでには何が必要なんでしょうか?

30:22
我々自身がやはり強くなっていく必要があると思いますけれども、ちょっと先ほどの繰り返しですけども、やっぱりいろんな人と競争していくってことはすごく大事なことだなというふうに思ってまして。あとはそのための我々のハブとしてうまく機能できるようになっていく必要があるというふうに思っています。なのでそういったいろんなステークホルダーを巻き込んで、競争できるプラットフォームを作るためにも、そこに一つの共通した価値観っていうのを植え付けていきたいですし、そこを通訳できるような立場としてのVC、その場合VCというのが何なのかわかりませんけれども、そういったプラットフォームのハブ的な役割を果たしていきたいなというふうに思っています。

31:04
何か自社が大きくなっていくっていうよりは、どちらかというとネットワークを作る、プラットフォーマーみたいな、本当にそういうイメージで。

31:14
やっぱりそれぞれ本当にVC単独でできることっていうのもかなり限界があると思うんですよね。当然ですけれども、大企業にしかできないことってのは本当にいっぱいありますし、リソースも含めてですね。あとはやはり当然ルールを作る上では、行政も巻き込んでいく必要があるでしょうし、アカデミアに眠っている技術シーズをうまく活用する必要もあるでしょうし、そういったところをうまく掛け算でやっていきたいなというふうに思っています。

31:42
ちなみに河合さんの考えるVCってどうあるべきかとか何かあったりされますか。これ個人の意見で全然構わないんですけど。

31:51
本当に個人的なの感じ方みたいなところかもしれないんですけれども、やっぱりVCはあくまでも黒子だというふうに思っていますので、当然起業家さんがいて、起業家さんが考えている、思い描いているこのビジョンをどう実現するか、そのためにVCとしてどんなお手伝いができるかだと思っているんですね。その際に我々自身単独ではできることも限られているでしょうから、いろんなパートナーを作ってですね、みんなで一緒に支えていきたいというふうに思っているというところですね。ちょっと私のこのVCに対するイメージというのはそんな感じです。

32:27
逆にいろんな方々を繋いでいくっていうふうなところ、コラボレーションESGも含めて、これまで何度かおっしゃられてると思うんですけど、そういう人を繋いでいくとか、協業してもらう、協調してもらうっていうところで、河合さんが普段気を付けられていることとか、こうやればうまくいくんじゃないかみたいなこととかってあったりされるんでしょうか?

32:50
やっぱり熱量の熱い人同士を繋いでいくっていうのが大事かなと思います。特にこれオープンイノベーションとかではよく言われることかなと思うんですけれども、やっぱり組織と組織でやってるとはいえ、最後はやっぱり人と人が繋がっていく部分があると思うんですよね。大きな組織の中でも、すごく高い熱量を持ってドライブしてくれる方がいればですね、非常に難しいと思われていたような協業が実現するケースってのもあると思いますし、ですのでそういうキーパーソン同士をどう繋いでいくかというのがあると思います。あとはそのキーパーソン同士が繋がるためにもですね、やっぱり同じビジョンに共感してもらう必要があるかなというふうには思っていますので、その辺の価値観をどう共有していくかみたいなところですね、こういったところが大事になってくるのかなという気がしてますね。

33:43
同じビジョンという意味だと、ESGみたいなところも一つのビジョンだと思うので、そうしたところに共感してくれる人を増やすみたいなところも必要なのかもしれませんね。

33:52
そういったところが本当に、そういったステークホルダーに横ぐしを刺して繋いでいく、一つの共通の価値観になっていくのかなというふうに思います。

34:01
どうなんでしょう、でもこれからの起業家の皆さんにそういうESG、既に普及していればいいと思うんですけれども、まだ日本ってそのあたりの感度が低いパターンも多いのかなと思って。ESGみたいな本当に社会にとって、あるいは環境にとっていいことをしていこうみたいな、そういうムーブメントをこれから起業していく方々に伝えていくには、VCとして何かできることってあったりされますでしょうか?あるいは、今考えられていることとか。

34:28
本当に地道にその必要性だったりを皆さんにシェアしていくっていうのがあるのかなと思ってまして。我々も投資先、支援先のですね、コミュニティ作りなんかをやってたりするんですね。投資先の起業家さん同士、経営チーム同士を繋いでいくみたいなことをやっていまして、そういった支援先向けの勉強会なんかも定期的に開催してたりもするんですけども。今後はですね、そういったところでこのESGをテーマにした勉強会なんかもやっていきたいなと思っておりますし、そういったESGのテーマで協業できるような人たち同士を集めて交流を図ったりとかですね、少しちょっとそういったところから取り組んでいきたいなというふうに思っています。

35:10
確かに河合さん今、ESGスタートアップの特集記事とかいっぱい書かれてますもんね。

35:16
ちょっとそのあたりも、もう少しコンテンツもこれから充実させていきたいなと思ってますので、ご覧いただけると嬉しいです。

35:23
ありがとうございます。では私から用意した最後の質問なんですけれども、これは河合さん個人のご意見でも結構ですし、会社としてでも結構なんですけども、孫の世代とか、あるいは3世代、4世代、5世代後の人たちのために、どういう未来を作りたいと思っていますかっていうふうなところ。妄想でも構わないので、ぜひ理想の未来っていうのをお聞かせいただいてもよろしいでしょうか?

35:49
なんとなく皆さんがおっしゃることと、基本的にそんなに変わらないかもしれないんですけれども、やっぱりどうなんでしょうね。今の日本って、何か漠然とした閉塞感がすごくあるなというふうには思っているんですよね。特に私のような一定の年齢層になるとですね、余計にそういった傾向が強くなるのかなというふうに感じてるんですけども。ぜひ次の世代にはですね、本当に夢とか希望を持って挑戦できる世界だったりとか、挑戦することが尊敬されて報われる世界であってほしいと思いますし、あとは大人になっても、いつまでもワクワクしていられるような活力にあふれた社会であってほしいなというふうに思っています。あとは人それぞれおかれた環境の違いによって、生きにくさとか生きづらさみたいな、息苦しさみたいなものを感じてる方も多いと思うんですけれども、全ての人が平等に機会を与えられる社会であってほしいなというふうに思っておりまして、生まれた場所とか育った環境によって、その後の人生が固定されてしまわないようなですね、そういった世界であってほしいなというふうに思っております。

36:54
その辺りの思想的なバックグラウンドとかって河合さんあったりされるんですか。

36:59
思想的なバックグラウンド。

37:01
何かこういう哲学者とか経済学者とかに影響されたとか。

37:06
何か高尚なことを言えるとよかったんですけど、特にそういうのはあんまりないかもしれないですね。ちょっと身近なところで言うと、私も子供がいるんですけど、8歳と5歳の子供が2人いるんですけども、子供ができてからそのあたりの感じ方みたいなのがすごく変わってきた部分もあるのかなと思ってますね。ESGみたいなところの意識が高まったのも、もしかしたらそういう要素もあるのかなと思うんですけども。やっぱり例えば気候変動の問題みたいな話っていうのもすごく大きなテーマですし、時間軸がない。そうはいっても10年20年30年の取り組みだったりするので、なかなか自分事として感じてないところもあったりすると思うんですけども、やっぱり子供ができたことによって、自分の現在とか将来のことではなくて、子供たちの将来あるいは今の若い人たちの将来、そういった次世代にきちんと繋いでいく必要があるなというふうに感じるようになりまして。環境とか社会とか、適切な形でですね、引き継いでいく責任があるなというのは最近強く感じるようになったことですね。

38:12
確かにお子さまが生まれることで、そうしたことを考えるようになったっていう話は、私の周りでもしばしば聞きますね。そういう意味だと、もしかしたら今後は中高年の起業家とかが増えてくるのかもしれないですね。自分の子供たちにそういう社会を残すためにみたいに。どうなんでしょう、ESGの周りとかって、年齢層高めだったりするんですか、起業家って。

38:34
どうでしょうね、今のところそれを特に意識したことはないんですけれども。でもおっしゃられる通り、確かにそういった社会全体、広く、視野を広げて捉えられる起業家さんとかってことになると、それまでの個人的な経験とかも含め、ちょっとそういったシニアの起業家さんとか増えるかもしれないですね。

39:00
一方で逆に若い世代の方がそういう環境問題とかに敏感なので、みたいな話もあるかもしれませんね。

39:06
おっしゃる通りですね。確かに今の若い方々の方がそういった意識が高いところはあるかもしれないですね。

39:12
でもある意味、年齢が違っても環境問題であるとか、ClimateESGっていうところだと、同じような目線を持ってるっていうふうな可能性もあるのかもしれないですね。

39:23
おっしゃる通りですね。

39:25
そうしたコミュニティがここに限らず、このDISCORDに限らず本当にいろんなところで、その年齢年代に限らない、本当にいろんなコミュニティができていくといいなと個人的には思います。

39:39
今お話伺っててすごくそれを感じましたね。なんかこれまで産業創造プラットフォームとかコミュニティ化みたいなことを考えたとき、業界とかの垣根を越えていくみたいな、横のいかに繋がりを作っていくかって発想だったんですけど、やはりこの世代を超えた縦の繋がりみたいなところっていうのも、もっともっと強化していける気が今すごくしました。すいません、ありがたいご示唆をいただきまして。

40:00
いえいえ。本当に個人的にはそうあってほしいなと思いますし、そういうコミュニティ、いろんなコミュニティがあって個人的には良いと思っていて、それぞれの色に合うところに行けばいいと思うので。ただその中で、いろんな方々がちゃんとディスカッションできて、そして将来のために何かを考えているみたいな人たちが増えてくると、本当にいい起業家も増えてくるでしょうし、いい産業、20年後30年後の産業も作れていくんじゃないかなと個人的には期待しています。

40:27
おっしゃる通りだと思います。

40:29
ぜひそういう意味で、他のVCの皆さんもPRIに署名して、ESG投資をしていろんな世代を超えたコミュニティなり投資先なりを作っていって、本当に活力ある社会っていうのを作っていければいいですよね。

40:44
ぜひちょっとこれをきっかけに言われる自身もですね、私達自身もですね、いろんな方々と、こうやってディスカッションする機会を増やしていきたいと思っておりますし、これから特に起業を志す方にとってはですね、本当に社会にとっての共通価値を生み出すような大きなインパクトを与えるような事業に、ぜひチャレンジしていただきたいなと思ってますし、そのために我々VCとしてもですね、少しでもご支援できるように一緒に考え行動していきたいなと思っておりますので、そういう方がいらっしゃればぜひお声掛けいただければと思っております。

41:15
ありがとうございます。ちなみにこれも少し関係する、関係しないかもしれません質問なんですけれども、VCの皆さんでそういうESGとかPRIとかって何かディスカッションしたり、最初なんか冒頭で情報交換の依頼があったっていうふうな話があると思うんですけど、そういうことってされてたりするんですか結構。

41:33
やはりPRIの署名を機にそういう機会はすごく増えていてですね、他のVCさんともそうですし、我々のチーム内でもですね、こういったテーマで話をする機会っていうのがすごく増えてきたなというふうに思ってます。

41:49
ぜひそういう様子も起業家の、これから起業される皆さんとかにも含めて伝わっていくといいのかなと思ってて。

41:57
ぜひちょっとそういったところも情報発信をしていきたいと思いますし、ぜひいろいろ個別にもお話しできればなというふうに思っております。

42:05
ありがとうございます。あっという間に45分ほど経ってしまいまして、今日は本当に私も突然のメッセージで大変恐縮だったんですけど。

42:14
いえとんでもないです、ありがとうございます。

42:16
こうしてお越しいただいて背景までご説明いただいて、本当にありがとうございます。

42:19
いえいえ、こういった貴重な機会をいただいて本当にありがとうございます。私もちょっと今日の馬田さんとのお話の中で、いろんな新しい気づきとかアイデアもありましたんで、ぜひこれからちょっと形にしていきたいなと思います。どうもありがとうございます。

42:31
領域を盛り上げていければと思いますので、ぜひよろしくお願いします。

42:33
はい、よろしくお願いします。

参考資料